シンガポール出身で現在はロサンゼルスを拠点に活動しているアーティスト、Nat Ćmiel(ナット・チミエル)によるプロジェクト、yeuleのサードアルバム『softscars』がNinja Tuneよりリリース。
新感覚のエレクトロポップサウンドと高く評価された2022年リリースの前作『Glitch Princess』 から約1年という短い期間を経て早くも届けられた本作は、パンデミック期間中の混乱で人との繋がりが断絶され、親しい友人をオーバードーズで亡くすなど心に大きな傷を負ったyeuleが、自らと向き合いこれまでの人生を回想し、幼少期の自分と対話することで見えてきた深層心理を描いた作品となっているとか。
My Bloody ValentineやYo La Tengo、Slowdiveなどのバンドに大きな影響を受けたというアコースティックな質感も交えた歪みの効いたシューゲイズサウンドと近未来感漂うサイバーなエレクトロサウンドが同居した世界によって心の傷という本作の重たく難解な主題をポジティブなバイブスで包みこんだドリーミーでエモーショナルなサウンドへと昇華しています。
また、前作では日本のラッパー、Tohjiが参加していたり、楽曲に日本のアニメや駅のホームの音声を使用するなどしていましたが、今作では映画「花とアリス」のサウンドトラック収録の「fish in the pool」のカバーを収録するなど日本のカルチャーからの大きな影響も窺い知れます。
前作に引き続きMura Masaがプロデュースおよびギターやベース、ドラムの演奏で参加。
TRACKLIST:
01. x w x
02. sulky baby
03. softscars
04. 4ui12
05. ghosts
06. dazies
07. fish in the pool
08. software update
09. inferno
10. bloodbunny
11. cyber meat
12. aphex twin flame